Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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のぶこ

伸子

宮本 百合子

Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate

Aozora Bunko

眠い、やたらに眠い。

「そうそう、いいお嬢さんですね、おやすみなさらなけりゃいけませんよ」

伸子は、微かな歪んだ頬笑みを浮べた。佃の声がした。

「――それではまた参ります。何か持って来るものはありませんか」

重い睡眠の中へ引き込まれるような感じと戦い、伸子は辛うじて注意をまとめた。

「じゃあ箱をもって来て――青い革の――櫛や何か入ってる。――それから、父様によろしく」

一粒の丸薬をのまされた。佃はもういなかった。やはり時間の知れぬいつか、嘔きたい程まずいココアを二匙のまされた。

伸子はふと、ひそひそ戸口のところで何か云い争っている人声で目を醒した。夕方なのかあたりは薄暗かった。薄暗い中に険しい調子が響いていた。

「どうぞ話はなさらないで下さい」

「そんなことは私の自由です。私はちゃんとあの人の父親からたのまれて出入りすることを許されているのです」

「ええ、それはよく承知しています。ですから、部屋にお入りになるのはよろしいが、どうか病人に口を利くのだけは御遠慮下さい。絶対に神経を休ませる必要があるのですから」

佃が入って来た。寝台の上の伸子を見下しながら、彼はやがて普通の人に云うように、