Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
そのまま午後二時から、伸子はミス・プラットのところへ出かけた。
ミス・プラットは大柄な、何処かにダッチ風な重々しさを持っている人であった。Yes と云うにも紐育女らしいせわしい鼻声ではなく、丁寧に字と字の間をのばしてゆっくり発音する。母親と下宿人とで生活している女教師の平穏な雰囲気に、伸子はいつも家庭的な慰安を感じた。
先週の火曜日、話が寄宿舎のことになった。伸子は寄宿舎の生活には幾日経っても気質的に馴染めないところがあった。第一人間が多すぎる。伸子は半分冗談に、
「まるで蜂の巣のようです。それに皆が女王蜂だから……」
と笑った。ミス・プラットは、栗色の髪の濃い頭をかしげて考えていたが、
「木曜日の午後からうちへいらっしゃいな、気が変っていいでしょう。お喋りでもしましょう」
と云った。その約束があったので、伸子は、佃との気持の行きがかりをそのままにして出かけたのであった。
アパアトメントの扉をたたくと、ミス・プラットの母親がとりつぎに出た。
「今日は」
「ああ、今日は。ようこそ」
老婦人は、愛嬌よく伸子をホールに導き入れた。そして、正直そうな碧い眼に訝るような表情を浮べ、地になっているささやき声で訊いた。