Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
それは伸子にも感染せずにすまなかった。互の愛によって一層の生活の力を感じ合い、扶け合って行く、平和な、同時に高貴な輝きはなかなか恵まれなかった。
佃は、あまり自信のない愛人なのであった。
二十日ほど前のある晩、伸子は数人の友達から晩餐に招ばれた。佃の知らない会社や公務関係の人々であった。伸子のほかに多く婦人連も出席した。翌日佃は異常に神経質になった。
「あなた――私が昨夜行ったことで不愉快そうにしていらっしゃるの?」
すると佃は眉毛の下から伸子を瞥見して云った。
「何かそんなわけがあるのですか」
「ほら! ほら! それが曲者よ」
伸子は、指をふって佃を嚇すまねをした。そして、云った。
「これからもあることだからどうぞよく分っていらして頂戴……ね。私あなたを本当に思っているし愛しているのよ。だから、却って誰といても安心だし大丈夫だという信念があるのです。――わかるでしょう? 私の心持。私にはもう護り神があるの。本当に大切に思う人がある時、人間は自堕落になんぞなれやしないわ。それに第一お互の不面目よ、こんな何でもないことさえ平静にとりあつかえないなんて」
佃は伸子の正視を避けるようにしながら、譲らず呟いた。