Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

電燈はまだつけたままになっていたが、明るければ明るい程、人気のない、ガランとした場内は、異様に物淋しく、不気味であった。

今や場内ひっくるめて、何百体という、人形共の天下であった。

彼等は、誰も見ていない時には、コッソリあくびをしたり、小声で話し合ったりするのではないかと思われた。

その中を、たった二人で歩いている人間は、却て人形共に眺められ、批判されている様で、薄気味が悪かった。

じっと見ていると、どの人形も、どの人形も、夫々のポーズで、ひそかに呼吸し、瞬きさえした。

彼等に賊の行方を尋ねて見たら「ホラ、そこにいるじゃないか」と教えてくれたかも知れないのだ。

捕物の経験を持たぬ小林少年は、いくら力んで見ても、ゾクゾクとこみ上げて来る恐怖を、どうすることも出来なかった。彼はポケットのピストルを握りしめて、力と頼む明智のうしろに、より添う様にして歩いて行った。

やがて、二人は、場内で一番薄暗い、見上げる様な並木と、竹藪とにとり囲まれた箇所へ、進み入った。

作り物である丈けに、本当の森林よりも、却て妙に恐ろしかった。その上、思いもかけぬ木蔭から、生々しい人形の首が、ニーッと覗いていたりするので、まるで化物屋敷へ迷い込んだ感じである。