Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
僕なんかも、ただ多年の経験によって、仕事をしているだけで、少し突飛な犯罪になると、今度のように手も足も出ない有様です」
と、心から敬意を表した。
「ハハハハハハ、僕のまぐれ当りを、そんなにほめ上げてはいけません」
明智は、頬を赤らめて無邪気にいった。
「しかし、君、怖くはありませんか。奴のはただのおどかしではない。文代さんがあんな目に会ったのも、脅迫状の文句を実行して見せた訳でしょう。今度は警戒しなくていいのですか」
恒川氏は不安らしくいう。
「イヤ、それは、僕の方でもあらかじめ、用意しています。今度はもう、あんなヘマはやらぬ積りです。……ところで、お差支えなければ、これから、畑柳家へ、お出になりませんか。多分三谷君がいるでしょうから、その後の様子を聞いて見ようではありませんか」
「アア、僕も今、それを考えていた所です」
そこで二人は、門前に待たせて置いた自動車を、東京の畑柳家へと走らせた。そして、例の鉄扉いかめしい門前に降り立ったのは、もう暮れるに間もない時分であった。
主人は獄死し、引続いて夫人と遺子とが行方不明になった畑柳家は、まるで空家のように森閑としていた。