Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

明智と恒川警部がおとずれると、丁度三谷青年が来合わせていて、客間へ案内した。

「この家は、親戚の人達が管理することになっているのですけれど、皆様子を知らない人ばかりで、雇人達を相手に、どうすることも出来ないので、こうして僕が時々見廻っている訳です」

三谷はやや弁解めいていった。

「ところで、畑柳夫人からは、何のたよりもありませんか」

警部が、とりあえず尋ねて見る。

「ありません。僕の方こそ、それを御聞きしたいと思っていたのです。警察の捜索は、どうなっているのでしょう」

「警察でも、まだ手懸かりさえありません。実にうまく逃げたものです。とても、か弱い女の智恵とは考えられません」

警部は三谷の顔をジロジロ眺めた。

「僕も驚いているのです。誰もあの人達が、この家を出る所を見たものさえないのです」

三谷は、自分で逃がしておきながら、まことしやかに驚いて見せる。

「この邸は、手品師の魔法の箱みたいなものですよ。手品師の箱という奴はちょっと見たのでは、何の仕掛けもないけれど、その道のものには、どこに、どんなカラクリがあるか、ちゃんと分っているのです」

明智が突然妙なことをいい出した。