Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

その結果、故意か偶然か、谷山は唯一の出入口であるドアを背にして立つことになった。

倭文子は、茂少年を抱きしめて、ブルブルふるえながら、人々の蔭に身を隠す様にしていた。

「探偵さん、邪魔だ。どいてくれ。それとも、君は倭文子の身代りになって、このピストルを受ける積りかね」

谷山の血走った両眼に、気違いめいた憎悪のほのおが燃えた。

「身代り結構。一つズドンとやって呉れ給え。ここかね、ここかね、それともこの辺をねらうかね」

明智は無謀千万にも、相手のピストルの前に立ちはだかって、我が額を、喉を、胸を、順次に指さして見せた。

文代と小林少年の顔色が、サッと変った。谷山の指がホンの一分か二分動けば、明智の命はないからだ。

「危いッ」

たまり兼ねた恒川警部は、とっさの機転で、いきなり明智を弾道の外へ突き飛ばした。

同時に、谷山のピストルがカチッと鳴った。彼は妙な顔をしてカチ、カチと続けざまに、引金を引いた。

「ハハハハハハ」

突き飛ばされた明智がよろめきながら、こう笑した。

「丸が出ないようだね。そのピストルは」

谷山は、忽ちそれに気づいて、ピストルを床に投げつけた。

「畜生ッ、さては貴様、ピストルの丸まで抜き取っておいたのだな」