Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

「今度の犯人は、茂を誘拐して、身代金を要求した所を見ると、金銭が目的の様ですが、実は金銭などは従であって、茂の母を手に入れるのが、第一の目的ではなかったかと思うのです。それが証拠に、あの時も、身代金は必ず倭文子自身で持参せよという、条件がついていました」

「成程、成程」

明智は非常に興味をそそられて、合槌を打った。

「ところで、例の化物みたいな男が、鹽原温泉に現われたのは、さっきお話した岡田道彦が、温泉宿を出発してから、丁度半月程のちなのです」

三谷は、声をひそめて、思い切った調子でいった。

「だが、その岡田は滝壺に身を投げて、失恋の自殺を遂げたのではありませんか」

「と、世間は信じているのです。ところが、岡田の死体が発見されたのは、死後十日以上たっていて、ただ、着物や持物、年配、背格好などの一致で、単純に、それを極められてしまったに過ぎません」

「ホウ、すると、顔などは、もう皮膚がくずれていたのですね」

明智は膝に手をついて、ちょっと身体を乗り出す様にした。

「そうです。川を流れて来る間に、岩角に当ったという風に、顔はほとんど赤はげになっていました」

「するとつまり、あなたのお考えは、川を流れて来たのは、岡田の着物を着た別人の死体であって、本物の岡田は、硫酸か何かをあびて、化物みたいな面相になって、生き残っているという