Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「それでは、もう一度考えてみよう」
こう言って竜之助は、やっとお浜を安心させて、自分は次の間へ引込んでしまいました。
大した創ではないが容体が思わしくないから、お浜が引続き郁太郎を介抱している間に、竜之助は一室に閉籠ったまま咳一つしないでいるから、
「あの人は、どうしてああも気が強いのかしら」
お浜は竜之助が、我が子の大病をよそに、何をしているだろうと、怨めしそうに独言をしてみたりしているうちに、竜之助がついと室を出て来ました。
見れば刀を提げていますから、
「どこへおいでなさる」
「ちょっと芹沢まで」
「急の御用でなければ、坊やもこんな怪我なのですから宅にいて下さい」
「急の用事じゃ、直ぐ帰る」
「早く帰って下さい、そうでないと心細いのですから」
「うむ」
出て行く竜之助の後ろ影を見送りながら、
「あの人は、情愛というものを知ってかしら」
何とはなしに、竜之助と添うてからのことが胸に浮んで来ました。愚痴は昔に返るのみで、文之丞との平和な暮しに自分が満足しなかったことの報いを今ここに見るとは思い知っても、まだまだ自分が悪い、自分だけが悪いのだとは諦め切れないのです。