Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
お絹にこう言われて七兵衛は苦笑い。
「ちっとばかり内職をやっているものでございますから」
「内職を? 何か反物でも商いをなさるの」
「へえ、まあそんな事で」
「そう、そんなら今度ついでの時に、甲斐絹の上等を少し見せてもらえまいかね」
「よろしゅうございます、持って参りましょう。時にお師匠様」
七兵衛は話向きを改めて、
「お松の方はどうでございましょう」
「ああ、その事、その事。それはわたしの方からお前さんに尋ねたい。飛脚を立てようかと思っていたところですよ」
「へえ、お松がどうぞ致しましたか」
「あの子はお前、駈落をしてしまいましたよ」
「駈落を?」
「それも御主人の若様と逃げたとか、然るべき男と逃げたというんならお話にもなりますけれど」
「いったい、誰と逃げました」
「誰といってお前、山出しの馬鹿と逃げたんだもの、話にも何もなりやしない」
「馬鹿と……」
「お前さんには最初から話さないとわからないが、二月ほど前にあの子を、わたしが四谷の神尾様という旗本のお邸へ御奉公に上げましたところが、そのお邸に与太郎とか与八とかいう馬鹿がいて、どうでしょう、お松はその馬鹿に欺されて夜逃げをしてしまいました」