Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「そりゃいけねえ、まあ大切にした方がいい、それじゃ行って来ますから」
嘉右衛門が立去ったあとで、七兵衛はなんと考え直したか、
「お松坊、今から江戸へ行こうや」
「でも、おじさんお怪我は?」
「なあに、馬も駕籠もあらあな」
「嬉しいこと」
お松は大欣びで食事もそこそこ、はや手の廻りの用意をします。
十
今日は五月の五日、御岳山上へ関八州の武術者が集まって奉納試合を為すべき日であります。
机竜之助はこの朝、縁側に立って山を見上げると、真黒な杉が満山の緑の中に天を刺して立っているところに、一むらの雲がかかって、八州の平野に響き渡れよとばかり山上で打ち鳴らす大太鼓の音は、その雲間より洩れて落ちます。
「ああよい天気」
白い雲の山にかかる時は、かえって五月晴れの空の色を鮮やかにします。
「奉納日和でござりまするな」
門弟連ははや準備をととのえてそこへやって来ました。
竜之助も身仕度をして、いつぞや大菩薩峠の上で生胴を試してその切味に覚えのある武蔵太郎安国の鍛えた業物を横たえて、門弟下男ら都合三人を引きつれて、いざ出立の間際へ、思いがけなく駈け込んで来たのは水車番の与八でありました。