Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
あれだけの縁であると思ったらば、ここでめぐりあったあの武士が何もかもいちいち自分の身の上を知っているようである。
関の地蔵に近い宿屋に、真三郎と一夜を泣き明かして、さて亀山の実家へは帰れず、京都へ行くつもりで、鈴鹿峠を越えて、大津の宿屋まで来ると、もう行詰まって二人は死ぬ気になった。遺書を書いて、二人の身を、三井寺に近い琵琶湖の淵へ投げたが、倉屋敷の船頭に見出されて――男をひとり常久の闇に送って自分だけ霊魂を呼び返される。今となっては、死ぬにも死ねず、この生きたぬけがらを、昔の人に遇わせることが、あまりといえば浅ましい。お豊は、しばらく立去り兼ねて涙を押えていましたが、
「お豊さん、お豊さん」
二本杉の後ろに声がある。
「はい――」
お豊は驚いて涙をかくすと、藍玉屋の金蔵が、いつ隠れていたか杉の蔭からそこへ出ています。
「何か御用でございますか」
「あの、お豊さん、この間わたしが上げた手紙を御覧なすったか」
「いいえ」
「見ない? 御覧なさらない?」
金蔵の様子が、なんともいえず気味が悪いので、
「あの、今日は急ぎますから」
「まあ、お待ちなさい」
金蔵は、お豊の袖を抑えて、