Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate

Aozora Bunko

「その前の手紙は……」

「存じませぬ」

「その前のは……」

「どうぞ、お放し下さい」

「では、あれほどわたしから上げた文を、あなたは一度もごらんなさらないか」

「はい、どうぞ御免下さい」

袂を振り切って行こうとする時に、金蔵の面が凄いほど険しくなっていたのに、お豊はぞっとして声を立てようとしたくらいでしたが、

「わたしは、日蔭者の身でございますから、御冗談をあそばしてはいけませぬ」

お豊は、丁寧に詫びをして放してもらおうとすると、金蔵は蛇がからみつくように、

「お豊さん、お前は、今ここで何をしていた、あの武士は御陣屋の居候じゃ、それとお前は、ここで出会うて不義をしていたな」

「まあ――何を」

「そうじゃ、そうじゃ、それに違いない、お前は浪人者と不義をして神杉を汚したと、わたしはこれから触れて歩く」

金蔵はわざと大きな声で呼び立てます。お豊は力いっぱい振り切って逃げ出すと、追いかけもしないで金蔵は、

「覚えていろ」

九

「お豊や」

伯父に当る薬屋源太郎は、お豊を自分の前へ呼び寄せて、

「困ったことが出来たで。お前も承知だろう、あの藍玉屋の金蔵という遊蕩息子じゃ」