Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
お地蔵様も小屋の中へ押立て申して、あとの人によく信心のうするように頼んでおいたが、御岳様や貧乏山なんぞも紅くなりはじめたことだんべえ。俺が水車にいると、よく前の川へ鹿の野郎が水飲みに来たっけ。モ一ぺん水車小屋へ帰るべえか。帰ったところで大先生がいねえことにゃつまらねえな」
与八の独言はここで一段落になって、あとがしばらくひっそりと――ぷしぷしと火の燃える音のみが聞えます。
おりから、本邸の方でどっと人の笑う声、それも一人二人ではなく、男の声に金を切るような女の声が交って騒がしい。
「ああまた始まった、ここのお邸はまるで化物屋敷だ」
与八は苦り切っていると、引続いてキャッキャッとひっくり返るような女の笑い声。
「侍たちも侍たちだが女中たちも女中たちだ、女の子にお邸奉公なんぞさせるもんでねえ、ああしてみんな自堕落になっちまう……ついこの間も、若いお女中が入って来なすったが、いじらしいことだ、あんなしおらしい女の子もやがて滅茶滅茶に摺れからしちまうだんべえ」
この時またもひとしきり男女の噪ぎ返る声、ドーッと笑い崩れてまたひっそりとしてしまいました。
「どれ、水でもちっと汲んどくべえ」