Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

美人は何事をか考え込んで、今までより無愛想に「私は姓名を知らぬ方に自分の姓名は申しません」成るほど余は未だ此の美人に姓名を告げなんだ、「イヤ、私は丸部道九郎と云う者です、叔父は丸部朝夫と申します」美人は少し柔かに「アア兼ねて聞いて居るお名前です、私は松谷秀子と申します」余「お住居は」美人「今夜は此の先の田舎ホテルと云う宿屋に泊ります」田舎ホテルとは余が茲へ来る時に、荷物を預けて来た宿屋で、余も今夜其所に泊る積りである。

「イヤ夫は不思議です、私も其の宿屋へ行くのです、御一緒に参りましょう」

美人は宿屋まで送られるのを有難く思う様子も見えぬ、単に「爾ですか」と答えたが、併し別に拒まぬ所を見れば同意したも同じ事だ、此の時は既に夜に入り、道も充分には見えぬから、余は親切に「私の腕へお縋り成さっては如何です」美人「イイエ、夜道には慣れて居ます」食い切る様な言い方で、余は取り附く島も無い、詮方なく唯並んで無言の儘で歩いて居たが其の中にも色々と考えて見るに、松谷秀子と云うも本名か偽名か分らぬ、全体何の目的でアノ幽霊塔へ入り込んだ者であろう、真逆に時計を捲き試して相当の人へ教え度いと云う