Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
第六十五回 今は又――今は又
丈は、確からしいから兎に角逢っては置く可きだと、余が心に思案する間に、甚蔵は全く残念に堪えぬ様子で「エ、此の人が再び秀子を保護し、新たな生命を与えたなら、最う秀子をユスる事も何うする事も出来ぬ、大事の金の蔓に離れる様な者だけれど、背に腹は替えれぬから仕方がない」と呟いた。余「では成る可く早く其の人の所へ行く事に仕よう」と口にも云い心にも思いて、甚蔵に分れを告げ、直ぐに此の室の窓を開いて其所から出て、爾して窓の外から先程の短銃をば「サア確かに返しますよ」と云って内へ投げ込み、ヤッと此の厭な養蟲園を立ち出でた。
第六十五回 今は又――今は又
養蟲園を出て、余は直ぐにも巴里へ行き度い程に思ったが、併し先ず秀子の顔を見たい。既に二日も秀子に逢わぬから、何だか他の世界へでも入った様な気がする、平たく云えば秀子の顔が恋しいのだ。
此の時は既に夜明けで、夫から歩んで停車場へ着いたのが丁度一番汽車の出る時であった。直ぐに乗って午後の二時頃に幽霊塔へ帰り着いた、玄関へ歩み入ると番人が異様な顔して「秀子様も旦那様も貴方の行く先の分らぬのを大層御心配でした」