Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
第百十五回 猶だ無用心
のだ、今の馥郁と立ち上った香気の元も分った、王冠の外に女王の冠も有る、之も価の積り切れぬ多くの珠玉の飾りである、次から次へ、頸輪も出た、腕飾も出た、指環や金釦などを初め衣服の粧飾品や、文房具の様な物や、孰れも金製又は銀製にて、今の世には求めて得られぬ高貴の珠玉を鏤入て有るので、是だけでもランカスター朝廷の一切の宝を集め盡くしたのではないかと疑われる。
第百十五回 猶だ無用心
箱の中の宝の数々は茲に記し盡くす事は出来ぬ、金目に積る事さえ六かしかろう。
此の箱一個にさえ是ほどなれば総て十七個の箱を悉く開いたら何れほどの宝が出よう、幸いにして余は、イヤ不幸にして余は宝も何も惜からぬ今の位地に立って居る故、唯宝の多いのに驚くだけで済むけれど、若しも今日以前の如く浮世の慾の猶絶えぬ人間で有ったならば必ず気絶する所だろう、我が物ならば嬉しさに、人の物ならば羨ましさに、或いは発狂までもするか分らぬ。
斯うなっては、箱を開くさえ無益だと思った先刻の様に引き替え、何だか外の箱をも窺いて見たい、決して宝の欲しい訳ではないが、云わば我が眼に贅沢をさせ度いのである、是ほどの宝を眸瞼へ写すと云う