Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

人であろう、余「併し最う何時でしょう。夜汽車は随分淋しい者ですネエ」と言うを手初めに話の口を開いたが、彼は宵のユスリの旨く行かなんだを猶だ気に障えて居るのか、顔の柔和さに比べては何となく不機嫌である、話に釣り込れようとはせぬ。

けれど其のうちに彼は新しい安煙草に火を附け直し、一寸近くも吸うた上で漸くに「貴方は塔の村の停車場から乗りましたネ」と余に問い掛けた、占めたぞ此奴幽霊塔を自分の出稼ぎ場か戦場の様に思って居るので其の近辺の事柄を問う積りと見える、斯なれば余り口数を利かぬ方が却って安心させる元だろうと思い、唯「ハイ」とのみ答えた、果して彼は進み出て「アノ土地に住んで居ますか」余「ハイ彼の村の盡処に昨年から住んで居ます」彼「名高い幽霊塔の中は御覧なさったでしょうね」余「彼の様な恐ろしい噂ばかり有ります所を誰が見ますものか」彼「では少しも塔の事を知りませんか」余「先頃から都の金持が引き移って大層立派に普請した様子ですが未だ招かれた事は有りませんから」彼「アレは丸部朝夫と言う官吏揚りです、彼処に此の頃養女に貰われた女がありますが――」