Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

第五十三回 忘れたよ

台所の戸が猶だ開いた儘で居る、実は初めて這入った時の様に窓から這入る積りであったが、窓には及ばぬ、直ちに忍びの靴を着けて其所から入ったが、目の届く限りには誰も居ぬけれど、彼の恐ろしい蜘蛛の室からは話し声も洩れ、爾して其の戸の鍵穴からは燈光も射して居る、耳を着けて聞いて見ると、医学士が猶だ居るのだ、怪我人の手当を終った後で、此の室へ来て婆と話をして居る者と見える「随分甚い怪我だよ、何所の奴だか知らぬが、直ぐに救って呉れんなら、今頃は庭の松の木の下へ例の穴でも掘って居る所だアハハハ」と打ち笑うは医学士の声だ。此の言葉で見ると庭の木の下へ穴を掘るのは余の想像した通り全く死骸を埋めるのだ、余も事に由ると埋められる者と成りは仕まいか、真逆。

第五十三回 忘れたよ

話は聞こえるが勿論姿は見えぬ、医学士は婆と何の様な事をして居るだろう、烏酒でも飲みながら話して居るのか、成ろう事ならソッと戸を開けて窺いて見たい、けれど窺いたら大変だ、アベコベに見附けられて、硝燈でも持って出て来られたなら、余は何の様な目に逢うも知れぬ。

医学士は猶言葉を継いで「大事な時に怪我をしたなあ、何でも甚蔵は美人に逢いに行って、其の帰りに汽車が転覆した