Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

場合だ。

ソロソロと探る手先に、塗れ附く様な気のするのは床の埃で、仰山に云えば五六分も積んで居ようか。此の様な所で、人にもせよ獣にもせよ、能く命が続いたものだ。燐燧の箱も或いは埃の中へ埋まったかも知れぬ、夫とも何処かへ飛び散ったのか、余の手の届く丈の場所には無い。斯して居る間にも何者かが暗の中から余の挙動を伺って居る者と見え、手に取る様に其の呼吸が聞えるのみならず、呼吸の風が温かに余の頬に触わるかとも疑われる。

余は漸くに燐燧の箱を探り当てたが、何うだろう中は全く飛び散って空になって居る、之には全く絶望した。箱さえも埋まるかと思う埃の中で、細い燐燧に何うして探り当てる事が出来よう。と云って探らずには居られぬから、今は自狂の様で、前へ進み出で、右に左に探るうち今度は更に今の怪しい生物に探り当てた。何だか匍匐に這って居る様子だが獣物でなく、人の様だ。寒いのか恐ろしいのかブルブルと震えて居る、今の時候では未だ震える程の寒さではないが、爾すれば全く余を恐れての事と見える。

斯う思うと余は聊か気丈夫に成った。先が余を恐れるならナニも余が先を恐れるには及ばぬ、寧ろ声を掛けて安心さして遣るが宜いと、低い