Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
美という者です、是だけの違いは有っても、其の実は同じ者だという事が、能く其の顔形を見較べれば自ら合点が行きましょう、エ、丸部さん、未だお疑いですか。夏子と秀子を全く別の人だなどと、まさかに最う、些しの疑う余地もありますまい」
勝ち誇る様な口調で、先生は長々の講釈を結んで了った、余は実に情けない、余が世界に又とない美人と思い、未来の妻ぞと今が今まで思い詰めた松谷秀子が其の実は養母殺しの罪に汚れ、監獄の中に埋まって居た輪田夏子だとは抑も何たる因果であろう、顔は幾等美しくとも心の醜さは分って居る、其の醜さを隠して、余を欺き余の叔父をまで誑かして居るかと思えば、実に譬え様のない横着な仕打ち天性人を欺くに妙を得た者に違いない、真に秀子が夏子の化けたのに相違ないであろうか。
二個の顔付きは全く違って居るとはいえ、能く見れば同じ事だ、先生の言葉に引き合わせて、見較ぶれば悲しい哉、争うに争われぬ、余は顔形を見詰めたまま目には涙、胸には得もいえぬ絶望の念が込み上げて来たが能く思うと、未だ一点の望みはある、なるほど第二号の顔形が第一号の変形には相違あるまい、けれど其の第一号が全く輪田お夏という証拠は少しもない、第二号も秀子なら、第一号も本来の秀子で、決して輪田夏子ではないかも知れぬ。