Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
風で一語を発せぬ。何時まで黙って居たとて果てしが無いから余は竟に「権田さん貴方の云う事は余り甚いでは有りませんか、秀子が自分の妻に成らねば救うて遣る事は出来ぬなどと」権田「左様さ、或いは甚いかも知れませんけれど、是は他人から評す可きで貴方から評せらる可き事柄では有りません」余「何んで」権田「其の甚さは貴方とても同じ事ですもの、貴方とても仔細に心の裡を解剖して見れば矢張り自分の妻にせねば救わぬと云うに帰するでは有りませんか」余「ナアニ私は其の様な卑劣な了見では――」権田「其の様な卑劣な了見ではないとならば、直ちに幽霊塔へかえり、私の申す通り、秀子に心底から愛想を盡される様にお仕向け成さい、貴方が秀子に愛想を盡させさえせば秀子は終に私の妻、サア私の妻に極まりさえせば三日と経ぬうちに其の汚名は消えますから」余「だって夫は」権田「だって夫はと云う其の心が即ち私と同じ心では有りませんか、秀子を救うて自分の妻に仕たい、縦しや救うにも自分の妻にせねば詰らぬと斯う云うに帰着します、自分の妻にせねば救わぬと云う私の心と何の違いが有りますか、若し違うとならば茲で明らかに私に向かい、秀子を妻にせずとも宜いから何うか汚名だけ助けて呉れと何故斯う仰有いません」