Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
汽車の中で漸く気を落ち着けて見ると、秀子が清浄潔白の女と分ったのは実に有難い、之だけは神にも謝したい程の気がする、けれど其の清浄潔白の女を、猶も疑う様に見せ掛け、其の女から生涯賤しまれる様に、愛想を盡され度外に措かれる様に、仕向けねば成らぬとは何たる情け無い始末で有ろう、泣いて好いか笑って好いか、我が身で我が身が分らぬとは茲の事だ。
併し其のうちに汽車の中で眠って了い、塔の村の停車場へ着いた時、初めて目が覚めた、早や朝の七時である、何でも秀子は夜の明けぬうちに茲へ着いた筈では有るが、実際此の地へ来たか知らん、途中で何所かの停車場から降りたでは有るまいかなど、様々に気遣われ、急いで幽霊塔へ帰って見た、爾して門の番人に、第一に秀子が帰ったかと問うて見たが、昨夜遅くに倫敦から秀子に宛てた電報の来た事は知って居るが、秀子の帰った事は知らぬとの返事、其の電報が即ち余の発したのに違い無いから、シテそれを何うしたと問えば虎井夫人に渡したとの事である、自分の室へも入らずに其のまま夫人の居室に行くと夫人は例の狐猿に顔を洗って遣って居る、其の様甚だ優長には見ゆるけれど併し心の中に何か穏やかならぬ