Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

者が幾人と云う数知れずで、而も一人たりとも降り得た者はない、若し有れば昔に於ては此の塔を建てた此の家の先祖一人、而も其の人は出る事が出来ずに死に、今の世では秀子一人であるけれど、余は唯彼の咒語にある「鐘鳴緑揺」と云う文句が便りだ、時計の鐘の鳴る時に、緑色の丸い戸の様な盤が動き出し、其の間から「微光閃※(「火+(日/立)」、第3水準1-87-55)」と有る通り、外の明かりが差し込んで見ゆる事は曾て見届けた所である、其ののちも其の前にも秀子から能く此の咒語を研究せよと告げられたのを今まで研究も何もせずに捨て置いたのは残念であるけれど、ナニ熱心に考えて見れば分らぬ事が有る者か、何でも緑盤の動くのが出発点だ、薄明かりの差す其の穴から潜り込めば「載昇載降階廊迂曲」など有った通り、昇ったり降ったり、迂り曲った道が有るに違いない、最う何でも時計の鐘の鳴る刻限だから長く待つにも及ぶまいと、先ず自分の時計を検めると丁度午後の一時より五分前だ。

一時の鳴るが合図であると、殆ど競馬の馬が出発の号砲を待つ様に、余は張り切って緑盤の許に行き、今にも一時の鐘が鳴るか、今にも一時の鐘が鳴るか、今にも緑盤が動くかと、見詰める