Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
事は出来るけれど、僅か十分の一即ち二寸ぐらい開いた丈では、余は手品師でないから到底潜り込む訳に行かぬ、併し日頃自慢の大力で無理にも引き開くれば開かぬ事も有るまいと、宛かも東洋の神話に在る手力雄尊が天の岩戸を引き開けた様な権幕で緑盤を開けに掛かった。所が緑盤は仲々堅い、余の力も全く無益である、のみならず頓て時の鐘の響が段々に消えると共に緑盤は後戻りを始め、次第に塞がって了おうとする、幾等抵抗しても其の甲斐がない、達って抵抗して居れば余の手が秀子の被物の様に挾み剪られて了うばかりである、エエ残念だと泣かぬ許りに余は手を放した、緑盤は元の通りに塞がった。
実に合点が行かぬ、何故緑盤は是だけしか開かぬで有ろう、此の前に見た時は随分潜り込む事も出来るほど開いたのに、さては秀子が、若しや自分の後を余に追っ掛けられるかも知れぬと察して、何うか云う工合に機械を狂わせ、充分には開かぬ事に仕て了ったのか知らん、夫とも少し許り開いた所で其の中へ手でも入れ、何処かに隠れて居る錠前を脱すとか、機械の一部分を止めるとかせば旨く緑盤が脱れて了うのか知らん。