Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
のは朝の十時から昼の十二時までの間である、即ち余が茲へ来るより少し許り前であった、十時より前には緑盤の隙間が狭いから如何に女の優かな身体と雖も這入る事の出来なんだ筈である、其の二つは、余が潜るにも今夜の十時以後でなくばならぬ、十時には二尺開くだろうから、何うか斯うか潜れよう。今から、十時まで空しく待つとは殆ど堪え難い所である、けれども待つ外に仕方がない、十時までの間に塔の底で、秀子の身が何の様になるかと思えば真に矢も楯も耐まらぬ思いである、けれど力の及ばぬ事は嘆いても詮がないゆえ、漸く我慢して十時を待つと云う事には決心したが、さて斯うなって見ると、初めて自分の身体が一方ならず疲れて居る事が分る、腹も空いて居る、眠さも余ほど目に借り越しになって居る、今まで夫を感ぜずに悶いて居られたが不思議である。
兎も角身体の精力を回復せねばと、此所を立ち去って食事もした、余所ながら叔父の病状をも見舞って、最早気遣わしい事もないとの旨を聞き定めた、爾して自分の居間に入り、九時半には起こして呉れる様に目覚時計を強く掛けて置いて、身を横にした。