Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
車の様な物が所々に突き出て居る、云わば一種の機械工場とも云う可き光景なのだ。
余の前に松谷秀子が此の仮想的牢屋へ入ったに違いないが、茲から何所へ行っただろう、此の中で蒸発して了うに非ざるよりは何所にも脱け路がない様に思われる、咒語の文句を考え合すと「鐘鳴緑揺」の次に「載升載降」と有るけれど登る所も降る所もない様に思われる「階廊迂曲」などとは何の階廊であろう。
若し単に物好きの為に此所へ入ったのなら、余は恐ろしさの為に少しも前へ進む心は出ず、必ず十一時の鳴るを待ち、緑盤の揺く間から元の室へ逃げ帰ろうと云う一心になる所であるけれど、物好きドコロではなく、秀子が此所から塔の底へ潜り込んだかと思えば微塵も引き返す心はない、何うしても此の時計の中の秘密を解き、進めるだけ進む路を見出さねば成らぬ、進んで此の家の先祖と同じく終に還る路を失い、塔の底で叫び死ぬるは少しも厭わぬ、否、厭わぬではない、ドダイ其の様な気の弱い事は思い出しさえもせぬのだ、心が全く秀子の事に満ち塞って居るのだから思い出す空地もないのだ。
何でも何所かに秘密の路が有ろうと蝋燭を振り照らして改めると、聊か思い当る