Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

のであろう、腰掛台の上に手燭がある、蝋燭は今より幾十分か前に燃えて了った物らしい、依って余は自分の持って居る蝋燭を其の手燭の上に立てた、猶見れば秀子の頭の辺に当り極小さい瓶がある、之が千艸屋から買って来た毒薬に違いない、既に之を呑んだであろうかとは第一に余の心に起った疑問だが、有難い未だ呑んだ者ではなく、瓶の口も其の儘なら中の薬剤も其のままである。

余は自分の体温を以て秀子を温め活す程に両手を以て死人同様の其の体を抱き上げた、オヤオヤ手先の様に身体は冷えて居ぬ、通例の人の温さも有れば何だか脈なども打って居るようだ「秀子さん、秀子さん」穏かに呼んで見ると、秀子は薄く目を開き、聞えるか聞えぬか分らぬ程の細い声で、全くの独語の様に「茲は死んだ後の世界か知らん」と呟いた、余は此の様に身も魂も溺れる程の愛情が湧き起り、充分親切な言葉を以て慰めて遣り度く思ったけれど、悲しや権田時介との堅い約束が有って、露ほども情の有る親切な言葉を掛けては成らぬ、アノ約束の辛い事が今更のように浸々と身に徹たけれども仕方がない、唯当り前の言葉を以て「イイエ死んだ