Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
事だが此れだけの宝を得て狂人に止まったのは猶心の確かな人と云わねば成らぬ、殊に其の用心とても此の宝に対しても猶無用心と云っても宜い、増して其の時代が閣竜英の乱の時で国王は弑せられ貴族は憎まれ、贅沢品は容赦なく取り上げられる物騒の極で有った事を思えば、縦んば余自身が其の人で有ろうとしても充分是くらいの、否是より以上の用心をする所である、と云って実は是より以上の用心とは聊か其の工夫にも困る訳だテ。
余は目録を持ったまま此の様な事を思って暫し茫乎として居たが、秀子は背後から「其の目録では有りません、ソレ香料の袋の下に別に羊革紙が見えるでは有りませんか、其れに何を書いてあるかお読みなさいと云うのです」余は初めて我に復り、香料の袋の下を見ると成ほど羊革紙が見えて居る、宛も遺言状の様に丁寧に巻いてある、引き延して之を読むと、
「丸部家第十四世の孫朝秀、茲に誠意を以て証明す、此の塔に蓄うる金銀珠玉一切の宝物は正統の権利に依り、何人も争う可からざる丸部家の所有なり。
事の仔細は別に当家の記録に明かなり、余は先祖代々の志を嗣ぎ、幾年の辛苦を以って、夜陰に之を水底より取り集め得たり