Classici giapponesi con furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate
勿論番人も無い、入口の戸も数年前に外した儘で、今以て鎖して無い、荒ら屋中の荒ら屋だ、頓て塔へ上る階段の許まで行くと、四辺が薄暗くて黴臭く芥臭く、如何にも幽霊の出そうな所だから、余は此の屋敷に就いての一番新しい幽霊話を思い出した、思うまいと思っても独り心へ浮んで来る。其の話たるや後々の関係も有るから茲に記して置くが、此の屋敷を本来の持主たる丸部家から買い取ったのは、其の家に奉公して居た輪田お紺と云う老女だ、何でも濠洲へ出稼ぎして居る自分の弟が死んで遺身として大金を送って来たと云う事で、其の金を以て主人の屋敷を買い取り、此の塔の時計室の直下に在る座敷を自分の居間にして、其の中で寝て居たが、或る夜自分の養女に殺されて仕舞った、夫は今より僅かに六年前の事で、其の時から今まで此の屋敷はガラ空になって居るが、其の老女の亡魂も矢張り幽霊に成って其の殺された室へ今以て現れると云う事だ、其の室は丁度余が立って居る所の頭の上だ、斯う思うと何だか頭の上を幽霊が歩いて居る様な気もする。
爾して其の殺した方の養女と云うは直ぐに捕まり裁判に附せられたが、丁度余の叔父が検事をして居る