Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Leggi 幽霊塔 (ゆうれいとう) di 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 266.479 caratteri · 532 schermate

Aozora Bunko

のも即ち此の狐猿であろう。

秀子は石の柱の様に突っ立って少しも動かぬ、肩を推しても無益である、爾して恐ろしさに見開いた其の眼を宙に注ぎ、遠く眼前の以外に在る何事をか見詰めて居る様である、アア秀子は室の中の様に驚き、今は何事をか連想して、心を遠い遠い事柄に注いで居ると見える、宛で醒めながら夢でも見る有様で何事も移らぬのである。

秀子を斯くまで驚かせた室の中の光景は如何である、余の常に倚る安楽椅子に、背様に靠れ、一人の男が顔に得も云えぬ苦痛の色を浮かべ、目を見張った儘に死んで居る、爾して所々に血が附いて居て、殊に其の頬の辺に噛まれたか掻かれたか痛々しい傷が有る、之も確かに狐猿の仕業で有ろう、猶好く見れば其の手先も痛く噛まれて居る、抑も此の男は誰、余は容易に判じ得なんだが、見て居る中に高輪田長三と分って来た、生き顔と死顔とは相恰が変るとは云え斯くまで甚く変るとは思わなんだ、傷の為苦痛の為最っと醜く筋々が伸縮して居る外に猶、不断とは全く違って見える所が有る、本来彼の顔は美しくて滑らかで底に薄気味の悪い所が有りはするけれど、悪人程には見えなんだが死顔は全く大悪の相である、生前は余ほど容子を作り、自ら善人に善人にと見せ掛けて居た