Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
といったら、あくまで「知らぬ」でとおすにちがいない。ミュンスターベルヒは実験心理学上の理論から割り出して、呼吸計、脈搏計を応用して犯人の呼吸、脈搏の模様をはかり、若し女の写真を見て、その女を本当に知って居るならば、たとい口では知らぬといっても脈搏には変化があらわれるものだと言って居るけれども、それは畢竟理論上のことだけであって、実際の場合には却って間違った判断を来し易い。又、今日の夕刊新聞には殺人事件が始めて報告され、女の死顔の写真が出て居るけれど、それによって、その女を知って居ると申し出る人は恐く少いであろう。日本では一般の人々がまだ、こういうことには無関心であるばかりでなく、うっかり申し出るとかかり合いになるからと恐れて居るものさえあるからである。よし申し出るものがあっても、死顔は間違い易いから、この方面から女の身許がわかろうとは思われず、従って女が二人の男にどんな関係を持って居るかはこちらでたずね出さねばならないのである。
仮りに女が平岡か鬼頭かの知った者であるとしたら、その動機は果して何であろうか。女が妊娠三ヶ月であるところを見ると、その方面に動機を求め得られないでもない。