Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
二
そうして、良雄の情熱の力がはげしくて、あさ子を征服したのか、或はあさ子もそれとなく良雄に思いを寄せて居たのか、二人は遂に人目をしのぶ仲となったのである。
今から思えば良雄の恋には始めから不純な分子が沢山含まれて居ったのに反し、あさ子の恋は純潔そのものであった。さればこそ、その純潔な恋、一たび破綻を来たした時、あさ子の一念は徹底的に良雄に祟るに至ったのである。
二
恋が屡々恐ろしい結末を齎らすものであることは、古往今来その例に乏しくないが、良雄とあさ子との恋仲は、あさ子の突然な失明によって、果敢なくも、良雄の方から、無理やりに結末がつけられたのである。といってしまえば、読者諸君は、あさ子に対してさほど深い同情の心を抱かれないであろうが、あさ子の失明が、実は良雄の悪疾に感染しての結果であると知られたならば、諸君は定めし、あさ子を捨てた良雄をにくまれるにちがいない。ましてあさ子の身になってみれば、どんなにか悲しいことであろう。生れもつかぬ盲目にされた上、弊履のごとく捨てられては、立つ瀬も浮ぶ瀬もあったものではない。
「お父さん、わたしどうしよう?」
彼女は毎日、こういっては、泣いて父親に訴えるのであった。