Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
七
と彼女は暫く考えてから答えた。
「有難う御座いました。もうお帰りになってもよろしいが、もし、御父さんを殺した犯人をお知りになりたければ、夕方まで居て下さい」
「居ります」
せい子が去るなり警部は言った。「これで犯罪の動機がわかったが、同時に第四者の存在が知れた」
「え? 第四者?」と朝井刑事は驚いて叫んだ。
「そうだよ、咬傷のことを考えて見たまえ。咬傷は女の歯によって出来たのだ。………時に朝井君、谷村の家には仏壇があるかね?」
「小さい仏壇がありました」
「仏壇の道具などはお手のものできれいだろうね?」
「大へんきれいでした。新ぼとけですから、香が盛んにたいてありました」
「ではこれから僕は一寸その仏壇に参詣して第四者に逢い、出来るなら犯人たる第四者を連立って来よう」
朝井刑事は呆気にとられて、警部の後姿を見送った。
七
霧原警部の帰ったとき、短い冬の日は暮れかけていた。
「約束した第四者の引致は、仏壇に参詣しても居所がわからぬので残念ながら出来なかったよ。けれど例の葡萄酒を出して貰おう」
朝井刑事ははっと思った。フランス葡萄酒を飲むのは特等訊問の行われる証拠である。