Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
そして若し中の二人がぼそぼそ話を始めたならば、朝井刑事が手を以て知らせると、部下のものが、応接室へ這入って行って二人を引き離す手筈にきめたのである。
いよいよ平岡は応接室の中へ入れられた。警部は耳をすまして緊張して居たが、意外にも会話の声はして来なかった。そこでぼそぼそ話が始まったのかと朝井刑事の方を見ると、刑事は一生懸命に見つめて居たが、その口は驚きのためにだんだん大きく開かれて行った。暫くしてから、朝井刑事が猛烈に手を振ったので部下の警官は応接室へ闖入して二人を引き離した。
二分の後、霧原警部と朝井刑事とは対座したが、朝井刑事は眼をぱちくりさせて、暫くは物が言えぬらしかった。
「どうした朝井君?」と警部は不審顔をして訊ねた。
「大変なことをしてしまいました」
「え?」
「二人は手真似で話をしました」
「まあ、落ついて話したまえ」
「はじめ平岡がはいって行くと二人は、顔を見合せましたが、鬼頭はあたりを一応ながめまわしてから、突然手真似をつかいました。すると平岡も手真似で答え、暫くの間話しあって居ましたが、急に平岡が泣き出しますと、鬼頭は傍へよってなだめながら、耳に口をあてて囁きかけました。