Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
三
三
一と通りの検査を終ると、警察医に死体の処置を頼んで、霧原警部は朝井刑事とともに、警視庁へ引き上げた。早速現場に落ちていたクロロフォルムの壜を鑑識課へ送って、その上について居る指紋を採って、被害者の指紋と一致するかどうかを見てもらうことにし、それから三十分ほどかかって色々の用事をすまして後、二人は警部の控室で、テーブルをはさんで対座した。
警部は、手箱と、二本の髪の毛と、「タニムラ」と縫いのしてある女持の絹手巾とをテーブルの上にならべ、刑事の顔を見て言った。
「さて朝井君、この手箱の中の三つの品を何と思う?」
「大原夫人のかたみでしょう」と刑事は無造作に答えた。
「かたみにしては、汚れた手袋のかたしなどおかしいよ。もっと適当な解釈があるだろう」
「それじゃ大原は変態性慾者だったでしょうか?」
「そう考えた方が至当だ。異性の所持品や毛髪を集めたがる人間を索物色情狂というが、大原にもそういう変態性慾があったのだろう。だが待ちたまえ」
こういって警部は、髢を取り出した。「索物色情狂が、女の毛を切るときは、大てい一鋏でポッツリとやるものだ。ところがこの髢を見ると二三本ずつ切ったものを寄せ集めて束にしてある。