Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate

Aozora Bunko

そこで私は考えたのです。筋肉説にしろ、神経説にしろ、畢竟、心臓というものがあるからそういう面倒な学説が起って来るのだ。若し人工心臓が出来た暁には、筋肉説も神経説も木っ葉微塵に砕かれる。モーターを廻す電気がその起原になるのだから、これ迄の学説は、唯一の「電気説」に統一されてしまうのだ。而もこの電気説に対しては何人も反対の説を吐く余地はないのだ。何と痛快ではないか。……若気の至りとはいい乍ら、至極あっさりした考に耽ったものです。然しよく考えて見るに、若し神様が、私たちの身体を御造りになったとしたらば、やれ筋肉説だの、やれ神経説だのと騒いで居ることは、神様の眼には、電気説を空想した私の眼に映じたよりも、もっと滑稽なものに映ずるかも知れません。いずれにしても私は、色々な学説を頭の中に詰め込むことの煩雑さに堪えかねて、大学を卒業したならば、一日も早く人工心臓の発明を完成したいと思いました。

四

三年級になって臨床学科の講義を聴き、直接患者を取り扱うに及んで、私はつくづく現代医学の力無さを痛感すると同時に、私たちの学ぶ医学なるものは、畢竟学説の集積に過ぎぬのであって、実用とはよほどかけ離れて居るものだということを発見しました。