Classici giapponesi con furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate
気を大きくして居なくてはいかん」
「あなたこそ気を大きくして頂戴。折角、これまで実験を重ねて来たのですから、人間に実験しなくちゃ、何にもならないわ。わたしは兎で成功したときに、たとい病気にならないでも、わざと死んでわたしの身体で実験をして貰おうと決心したのよ」
私は思わず彼女の手を握って、彼女の唇に接吻しました。
「そう、実験して下さる? ああ嬉しい? 今までは、兎や犬ばかりの実験だったから、人工心臓での生存が、どんなものか、誰もその感じを話してくれなかったでしょう。それをわたしは自分で経験したいと思うの。きっと、あなたの言うとおりに、安楽な世界が実現されると信ずるわ。それを思うと早く死にたいような気がする。ねえ、わたしいつ死ぬでしょうか?」
私はますます悲しくなりました。
「まあ、いいじゃないか……」
「よくないわよ。間に合わないと悲しいから、早く準備をして頂戴!」
そうだ! とても助からぬものならば、人工心臓によって妻の希望を達してやるのが、妻に対する親切だ! こう思って私は看護の暇を見て人工心臓の準備をしました。いつもは妻と二人でするのですから、心は勇み立ちましたが、その時は何となく暗い思いが致しました。