Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Leggi 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.140 caratteri · 396 schermate

Aozora Bunko

と、申し上げましたら、どれ程驚きになることか、又、どれほどお怒りになることか。然し、どうかこの手紙をしまいまで御読みになって下さいませ。不具者ではありますけれど、生れつき、不具ではなく、一昨年の冬、突然網膜炎に罹って、明を失したので御座います。然し、網膜炎のことで御座いますから、外部から見ては健康な眼と少しもちがい無いので御座います。ですから、御仲人様は勿論、見合を致しました時に、あなたにも気附かれずに済んだので御座います。ああ、あの見合の時の恐しさ、裁判官の前へ出た罪人の心もこれ程ではあるまいと私は思いました。尤も、あなたは強度の近視眼で、眼鏡をおかけになって居ても、普通の人ほどには御見えにならぬとの事で御座いますから無理は御座いませんが、たとい専門の御医者様でも、一瞥しただけでは、御わかりにならぬくらいで御座いますから、両親も、私のこの欠陥を十分かくし通すことが出来ると主張し、私も両親を喜ばせるために、心を鬼にして、秘密をもったまま嫁入りしようとしたので御座います。

実際結婚の当日までは、私は自分の罪をさほど深いものとも思わずに暮しました。ところが結婚の日の朝、思い設けぬ月のものが、突然まいりましたのには、さすがに戦慄を禁ずることが出来ませんでした。