Classici giapponesi con furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Leggi 支那游記 (「しなゆうき」) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.859 caratteri · 105 schermate
婆さんはぶつぶつ云いながら、床に落ちた薔薇を拾い出した。が、それさえ拾っている内には、水兵たちの靴に踏みにじられる。……
「行こうか?」
ジョオンズは辟易したように、ぬっと大きな体を起した。
「行こう。」
私もすぐに立ち上った。が、我々の足もとには、点々と薔薇が散乱している。私は戸口へ足を向けながら、ドオミエの画を思い出した。
「おい、人生はね。」
ジョオンズは婆さんの籠の中へ、銀貨を一つ拡りこんでから、私の方へ振返った。
「人生は、――何だい?」
「人生は薔薇を撒き散らした路であるさ。」
我々はカッフェの外へ出た。其処には不相変黄包車が、何台か客を待っている。それが我々の姿を見ると、我勝ちに四方から駈けつけて来た。車屋はもとより不要である。が、この時私は彼等の外にも、もう一人別な厄介者がついて来たのを発見した。我々の側には、何時の間にか、あの花売りの婆さんが、くどくどと何かしゃべりながら、乞食のように手を出している。婆さんは銀貨を貰った上にも、また我々の財布の口を開けさせる心算でいるらしい。私はこんな欲張りに売られる、美しい薔薇が気の毒になった。この図々しい婆さんと、昼間乗った馬車の馭者と、――これは何も上海の第一瞥に限った事じゃない。