Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Leggi 支那游記 (「しなゆうき」) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.859 caratteri · 105 schermate

Aozora Bunko

×

同文書院を見に行った時、寄宿舎の二階を歩いていると、廊下のつき当りの窓の外に、青い穂麦の海が見えた。その麦畑の処々に、平凡な菜の花の群ったのが見えた。最後にそれ等のずっと向うに、――低い屋根が続いた上に、大きな鯉幟のあるのが見えた。鯉は風に吹かれながら、鮮かに空へ翻っていた。この一本の鯉幟は、忽風景を変化させた。私は支那にいるのじゃない。日本にいるのだと云う気になった。しかしその窓の側へ行ったら、すぐ目の下の麦畑に、支那の百姓が働いていた。それが何だか私には、怪しからんような気を起させた。私も遠い上海の空に、日本の鯉幟を眺めたのは、やはり多少愉快だったのである。桜の事なぞは笑えないかも知れない。

×

上海の日本婦人倶楽部に、招待を受けた事がある。場所は確か仏蘭西租界の、松本夫人の邸宅だった。白い布をかけた円卓子。その上のシネラリアの鉢、紅茶と菓子とサンドウィッチと。――卓子を囲んだ奥さん達は、私が予想していたよりも、皆温良貞淑そうだった。私はそう云う奥さん達と、小説や戯曲の話をした。すると或奥さんが、こう私に話しかけた。

「今月中央公論に御出しになった『鴉』