Classici giapponesi con furigana
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate
先ず此奴は見せ場じゃあねえか。」
「ですから、手をついて頼むから。」
「頼まれねえ。ただ人とは違うよ。好色からとばかりなら、みょうだいを買った気で、一晩ぐらい我慢もしようが、俺のは宗旨だ、宗旨だよ。宗門がえをしろと言って誰が肯くやつがあるものか。昔のきりしたんばてれんでさえ、殺されたって宗門は変えなかったぜ。」
「私の親類だと思って。」
「不可え。」
「姉だと思って。……妹だと思って。」
「不可え!」
「じゃあ、己の家内なら何うするんだ。」
気色ばんだが、ものともしない。
「矢張り抱くのよ。」
「坊さん、――酔ってるな。」
「何を、……むしゃくしゃするから、台所へ掛合って枡で飲んだ、飲んだが、何うだ。会費じゃあねえぜ。二升や三升で酔うような行力じゃねえ、酔やしねえが、な、見ねえ。……玉に白粉で、かもじと来ちゃあ堪らねえ。あいよ、姐さん。」
「止さないか。」
声をおさえて、真赤な木棍で、かもじをつついて、
「白粉に、玉と、この少し、蚊帳に映って青白くって、頬辺にびんの毛の乱れた工合よ。玉に白粉と。……此奴おいらんでいやあがる。今夜の連中にこのくらいなのは一人もねえ。」
土蜘蛛の這込む如く、大跨を蜿ってずるずると秋草の根に搦んだ。