Classici giapponesi con furigana
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うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Leggi 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.938 caratteri · 67 schermate
棍元教の先達は木棍を握った手の指を落した。真三は殺すまでもないが、片手は斬落そうと思ったそうである。
二人は、まだ病院に居る。
怪我はこれだけでは済まなかった。芳町辺の一むれが、幹事まじりに八九人、ここの大池の公園をめぐって、しらしらあけに帰ったのが、池の彼方に、霧の空なる龍宮の如き御堂の棟を静な朝波の上に見つつ行くと、水を隔てた此方の汀に少し下る処に、一疋倒れた獣があった。蘆の穂が幽に、おなじように細い残月に野末に靡く。あたりの地は塵も留めず、掃き清めたような処に、その獣は死んでいた。
近づくと白斑の犬である。だらりと垂れた舌から、黒い血、いや、黒蛇を吐いたと思って、声を立てたが、それは顋のまわりをかけて、まっすぐに小草に並んで、羽を休めたおはぐろ蜻蛉の群であった。
こればかりでない。その池のまわりをしばらくして、橋を渡る、水門の、半ば沈んだ、横木の長いのに、流れかかる水の底が透くように、ああ、また黒蛇の大なのが、ずるりと一条。色をかえて、人あしの橋に乱るるとともに、低く包んだ朝霧を浮いて、ひらひらと散ったのは、黒い羽にふわふわと皆その霧を被った幾十百ともない、おびただしい、おなじかねつけ蜻蛉であった。