Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「百八人!」
彼は、この数にふと、なにか、天扉の神鈴を聞く気がした。
そこで彼は一同へ告げた。「何かは知れず、油然といま、いま胸に抑えがたい感慨がわいた。天意が私を通じていわしめるものかもしれない。――しばらくご静聴ねがえようか」と。
「おう、仰っしゃってください。なにごとでしょうか」
一同は、襟をただした。
「ほかでもありませぬが」
と、宋江は満座を見ていう。
「いまふと、かぞえてみるに、いつかここに相寄ッてきた数奇なる運命の漢どもは、まさに百八人に達している。宿縁、まことに奇と申すしかありません」
「…………」
ああそうだったのか。百八人になっていたのかと、急に自他を見まわして一同もまた粛と、感慨に打たれたようなふうだった。
「……が、このうちには、ただひとり欠けた人があった。前の統領、托塔天王ノ晁蓋です。しかしいま思えば、それも上天の意だったものでしょう。われらを冥界から見まもってくれるために……。さもなくんば、白業黒業、さまざまな難を経つつかくも百八人がつつがなく一堂に揃うようなことはないでしょう。ひとえに神明の加護によるものと私は思う」
「…………」