Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
れ、鰻のぼりの出世をとげた法外な成上がり者なることを今でも覚えている者が少なくなかった。――だから養子の高御曹司が、よその娘、人の女房にもすぐ眼をつけての女狩りなどと、高家のお家芸よと、怪しみもしないわけかと思われる。
が、それはさておき。
林冲の新妻はいま、五岳楼の御堂扉にしがみついて、執拗な高御曹司と、争っていた。
「いやですっ。私は人妻です。見ず知らずのあなた方に誘われて、そんな御堂内などへはいかれません。お放しくださいませ。放してッ」
「まあ、いいじゃないですか。あなたは見ず知らずというが、麿はもう夢に見るまであなたを前々から恋していた。ここでお会いしたのは、東岳廟のおひきあわせだ。ああ、そのお唇、そのおん眼」
「ええ、けがらわしい。何をなさるンですかっ」
「女はみんな、初めは柳眉を逆だてて、そういうが、ひとたび、ほかの男を知ってごらんなさい。わが身のうちに潜んでいた泉の甘美に驚きますから」
「ばかっ。色きちがい」
「あ痛ッ。よろしい。あなたはその美しい繊手で、麿の頬を打った。麿も暴力をもって報いますよ。火のごとき愛情の暴力で」
「あれッ。……たれか、助けてっ」