Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
と、男は林冲が、硬直したのを見て笑った――
「生命は惜しいし、荷は欲ししか。やい盗賊、荷物の男に代ってその荷を担ぎ、町のあるところまで、身どものお供をして行くなら、そこは人情、酒の一杯ぐらい、飲ませてやらぬ限りもないぞ。ばかめ、どっちを撰ぶのだ」
「むむ、見受けるところ、貴様はただの素町人ではないな。武士だな」
「おおさ、いまでこそ浪々の身だが、昨日までは、五侯の一人楊令公の末裔として、徽宗現皇帝の旗本にも列せられた武士中の武士だ。もしそれだったら、どうだというのか」
「よしっ、その首、もらった」
「なにッ。ふざけるな」
ほとんど同時。白光を噴いた双龍にも似る二人のあいだに、鏘々として、火花が散った。しかし彼の長剣も、林冲の長巻も、幾十合となくその秘術を尽しあったが、どっちも、相手の一髪すら斬ってはいない。果ては鍔ゼリとなり、相互ともに息あらく、ただの毛を汗にするばかりだった。
すると小高い所から、突然、声がかかった。
「やあ、待ち給え。林冲の三日の約はそれでいい。旅のお武家にも、どうぞ刃をお引きください」
誰かと見れば、日限切ッての約束した林冲の様子いかにと、それとなく見にきた白衣秀士王倫、杜選、宋万、そのほか梁山泊の手下数十人の群れだった。