Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
そして何かの時は、お力になっていただければ倖せというもの」
「一河の流れ、一樹の縁。それはいうまでもありません」
あくる朝も、楊志は山寨から餞別を貰うやら、また、王倫以下の盛大な見送りを受けなどして、一舟の上から手を振りつつ、梁山泊を離れて行った。
――さて、ここで物語は、長身青面の壮士、楊志の旅とともに、開封東京の都へ移って行くことになる。
都へ移った楊志は、さっそく持ち帰った荷を解いて、地方で蒐めた珠玉、名硯、金銀の細工物など、とにかく金目な物を惜しみなく、大官たちへの賄賂に使った。そしてようやく、復職のめどもつき、あとは殿帥府最高の大官、高大将の一印が書類に捺されれば……というところまで漕ぎつけて、
「まずは、これでつつがなく、家名を持ち直すことができたわ」
と、希望のその日を待ちぬいていた。
やがて数日の後、殿帥府から「――出頭せよ」との達しが届いた。晴れの日なので、殊に身ぎれいに慎み、府の一閣に控えていると、やがて帳を払って現われた近衛ノ大将軍高が、椅子に倚るやいな、傲然とこういった。
「楊志とは、そのほうか」
「はっ、前の制使十名の一人楊志にござりまする」