Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
「それほどいうならば、金を出せ」
「金はいまねえが、後金ということもあるんだ。とにかく生きた人間を斬ッて、この通りだという値打ちを先に見せるがいいや。それとも、四つン這いに手をついて謝罪るか」
ほとほと持て余した楊志は、ここにいたって、ついに堪忍の緒を破ったらしい。しかしその青い面色に一抹の凄気は見せたものの、依然、言葉はしずかに。
「……さて、お立会い」
と見物人へ向って言った。
「ごらんの通り、この無頼者めが、先刻より私にさまざまな難癖をつけ、なんとなだめても収りがつきません。その上にも、生きた人間を斬って見せろと申してきき入れませんが、いったい、どうしたものでございましょうか」
すると、見物の群れから、弥次馬が、
「斬ッちまえ! 斬ッちまえ。――そういう毛無シ虎に、斬れ味を見せてやるがいい」
「その野郎がいなくなれば、第一、街が明るくならあ。よろこぶ者はあっても、悲しむ奴はたれもねえよ」
「ご浪人、頼むから、やッてくれい」
わいわいと、四方から声の礫だった。
こう聞いては堪らない。毛無シ虎は、その本性をなお剥き出しにいきまいた。いきなり楊志の胸いたを、どんと一ト突きして、その手にある宝刀をつかみとろうとかかったらしい。