Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

「ふウむ」と、楊志もつい釣り込まれて、ニヤつきながら、

「じゃあ、お互いは、商人同士だったわけだな。まアまアそいつは倖せだった。して、おぬしたちは、何商売か」

「この桶をごらんなせい」

「あ。棗漬だね。棗商人かい」

「田舎じゃあ、珍しくもねえが、都へ持ち出すと通がッた呑み助が、酒のお肴には、これに限るなんていうものでね、仲間七人、申し合せて、濠州から出てきたんだが、イヤこの暑さじゃ、桶の棗も茹りそうだ。おたがい金儲けは楽じゃあないね」

「まったくだ。金がかたきの何とかさ」

「どうです旦那、お好きなら、ちょぴり棗をあげやしょうか」

「いや、いらん。せっかくだが」

楊志はニガ笑いを見せながら、もとの自分たち仲間の屯のほうへ戻ってきた。

謝執事は、彼の姿を見ると、すぐ皮肉った。

「楊輸送使。――ご自慢の刀の斬れ味はどうでしたな」

「いや、賊かと思ったら、なんのこッた、つまらん小商人の仲間だった」

「へえ。あんたの口癖から推すと、この界隈には真人間は現われないはずなんだが」

「そうチクチク苛めッこはなしにしましょう。老人は執念ぶかいなあ」

「何さ何さ。それでこそ、われわれも先ず祝着と申すもの。