Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
目明し陣、五里霧中のこと。 次いで、刑事頭何濤の妻と弟の事
目明し陣、五里霧中のこと。
次いで、刑事頭何濤の妻と弟の事
かつての名刹、二龍山の宝珠寺も、いまは賊の殿堂と化して、千僧の諷誦や梵鐘の声もなく、代りに、豹の皮をしいた榻の上に、赤鬼のごとき大男が昼寝していた。
「おや、なんだ! 遠くの人声は。――もしや砦門のほうじゃねえか。やいっ、誰か見てこい」
眼をさまして、伽藍の奥から階段の上へ出てきた龍は、虎のような口を開いて、そこらにいる手下の者へ、一ト声吠えた。
「おうっ」
と五、六人が起ちかけると、下の道から賊の小頭と数名が登ってきて、
「おかしら、近郷の百姓どもが、こないだの大坊主をふン縛ッてまいりましたが、どうしたもんでございましょう」
と、階の下に並んで告げた。
「なんだと」――龍は、意外な顔して「――おかしいじゃねえか、いつぞやの大坊主といえば、五台山を騒がせ、大相国寺の菜園を荒らし、おまけに開封東京から姿をくらましたお尋ね者の花和尚魯智深だろう。……だからていよくここも追ッ払ったが、しかし百姓なんぞの手に捕まるはずはねえ。よく眉に唾をつけて取次いでくるがいいや」
「ところがお頭、百姓どもに質してみると、まんざら嘘でもねえんです」